子どものうつ病と不登校

児童期　思春期　青年期　中高年　と年齢が上がるにつれ　増えている　うつ病の患者。うつ病は、大人特有の病気と考えられていました。小児うつが　見逃されてきた理由は、大人のうつ　と違って　子供のうつは、　一見すると　うつ病に見えないからです。

大人社会と同様に　子供社会は、いじめや　友人関係　親子関係　学校の授業や　テストなど　ストレスがいっぱいです。小学校の1クラスに約1人、中学では1クラスに1〜4人の割合で　小児うつ病の子がいます。

もし　自分の子が　うつっぽい？と　思ったら　最初は、かかりつけ医　（小児科）の先生に相談します。体に異常が見られず　症状が、改善しないようなら　小児精神科や児童精神科を受診します。小児科の先生に　紹介状を書いてもらうと良いです。

もし　近くに　小児精神科　児童精神科が無い場合　精神科　心療内科を受診してください。

Iさんは、成績優秀で物覚えが良い　器用なタイプでした。小学校のうちから　塾に通い　一生懸命に　取り組んでいました。しかし　中2のクラス替えで　Iさんは、仲の良かった　友達と　別のクラスになりました。Iさんのクラスには、中学の経験がない　先生でした。騒がしいクラスで　先生は、英語を教えていました。塾では、早くから　英語に　取り組んでいたので　Iさん自身　英語には、大きな自信を持っていました。

授業は、いつも　騒がしく　Iさんは、イライラを募らせていきました。

担任も　学級崩壊となりそうな　クラスの雰囲気に苛立ちを感じていたようで　子供たちに　八つ当たりをするようになりました。Iさんは、曇った表情を見せるようになりました。「頭が痛い」「お腹が痛い」「キモチワルイ」と体の不調を　訴えるようになりました。
家では、部屋に　こもるようになりましたが　年頃だから・・自律神経のコントロールが　上手くいっていないんだわ・・　母親は、Isさんを　見守ることにしました。夏休みが　終われば　いつも　元気で明るいIさんに戻って　2学期を迎えられると　思っていました。

こどもも　うつ病になります。

いつも　真面目で　7月中に　勉強を片付けてしまうIさんでしたが　夏期講習から帰ってくると　ぐったりとすることが多くなり　とうとう　宿題も読書感想文も課題も　終えることが　できませんでした。Iさんは、焦って　泣いたり　キレたり　イライラしていましたが　2学期には、不登校になりました。イライラして　夜も　眠れなくなり　うつ病と診断されました。

病院では、何かを始めなければ　自分は、堕落した人間になってしまう・・と訴え　自分を責めました。だけど　何かをはじめようとするとき　自分の判断が　間違っていると　誰かに　怒られそうで　不安と　話しました。

こどもは、いつも　元気で　天真爛漫というのは、大人の思い込みです。大人と同じように悩み　落ち込み　元気をなくすことが　あります。何日も　気分が　落ち込み　うつ病になる子がいます。大人にとって　元気でいるはずの　子どもが　「鬱病」と診断されると「やっぱり」という親と　驚く親が　います。驚く親は、　「どうして　うちの子が」「うちの子に限って」という反応です。」

こどもだから　心を病むことはない・・こどもだから　いつも　元気で　健康なわけでは　ありません。でも　うつ病になるのは、特別な性格の子では　ありません。誰が　うつ　になっても　不思議ではないし　今まで　普通に　学校に行っていた子が　ある時を境に　急に　行けなくなることがあります。誰が　なっても　おかしくない病気　それが　うつ病です。

今まで　ダイスキだった　テレビ番組に興味を持たなくなる　ダイスキだった　ゲームをやらなくなる・・しかし　それは、親の問題でも　育て方の問題でも　ないことがほとんどです。100%完璧な　お母さんでいると　疲れてしまうように　子どもだって　いつも全力投球　すべてに　頑張りつづけていたら　つぶれてしまいます。お天気と同じで　晴れたり　曇ったりしながら　うつ病のときは、心に　大雨が　降っているだけなのです。だけど　雨降りの日は、何日も　続きません。梅雨が明けたら　ピーカンの青空になります。あせらない・・あわてない・・あきらめない・・それが　こどもの　うつを改善していく　近道です。